幼恋。




「あのクソチビ兄貴ヅラしてウザイんだよな」



「あんまりそんなこと言ったらダメだよ…」



「は?文句あんの?」



「いや…」






困った。
機嫌を直してもらうどころか悪化させてしまいそうだ。





「椛、どこに行くの?」



「ん〜隠れ家的な」



「隠れ家?」






なんだろうそれ。
と、思いつつ椛について行くと、入り込んだ薄暗い場所へと入っていく。



治安の少し悪そうな場所に少し脅えつつ進むと、ようやく古びた倉庫のような場所にたどり着いた。






「勝手に入っていいの?」



「あぁ、俺らの場所だからな」



「そうなんだ」






俺ら、とは誰なのかは気になるけど聞かずにいよう。

とりあえず今は誰もいないみたいだし。




と、倉庫の中を見渡すと
何に使うのか金属バットやら木刀やら危なそうなものが散らかっている。






「これって…」






色々ちらかっている中から、お酒の缶やビン
タバコの吸い殻とかもあって思わず椛を見る。




まさかそんな事しないよね、と願いを込めていると椛はおもむろにポケットからタバコの箱を出して慣れた手つきで口にくわえて火をつけた。






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