幼恋。




「おりははよく木下くんに絡まれてるけど、嫌じゃないの?
嫌なら嫌ってはっきり言った方がいいよ」






架子ちゃんは心配してくれているのか、私にそう声をかけてくれる。






「ううん、嫌とかじゃないよ。
でも友達は欲しかったから嬉しい」






初めて私に友達になろうと言ってくれた架子ちゃんにそう言うと、またしても後ろから両肩を掴まれた。


結構強い力で。






「へぇ友達か〜よかったなぁおりは」






そう現れたのはもちろん椛。



振り向くと機嫌の悪そうな顔で笑っててどうしたものかと瞬時に考えるけどどうしようも無い。






「さっき叶に会って小言言われたわ、うぜ。
ちょっと付き合えよおりは」



「え、でも授業は」



「早退するとでも言ってこいよ」



「う、うん…」






椛と私のやり取りを見ていた架子ちゃんが心配そうな顔をしつつも「私が言っておくよ」と言ってくれたから甘えることにした。




椛は絶対に人前で私に暴力や暴言を言ったりはしない。



どうにかして椛の機嫌をよく出来ないかな…。






< 9 / 266 >

この作品をシェア

pagetop