天然お嬢と双子の番犬さん
「───────花、そろそろ帰ろうか」
そう言う和は少しだけ寂しそうな気がした。
「あら、そうね。あたしもバイトだわ」
いつの間にか鞠を囲んでいたバレー部員達を退いて、教室の時計を確認した鞠。素早く机周りを片付けてバッグを持った。
「あっ、」
出る前に鞠は振り返って指を差す。
「あんた達。花と片時も離れるんじゃないわよ。花に何かあったら許さないんだから。それと……、」
和と湊を指差して手招きをする。
「…なに?」
「いいから!早く来なさいよ!」
和と湊は顔を見合わせてからのんびりと鞠に近付き、身体を屈ませた。何か三人でお話しているみたいだ。
「「…は?」」
「あたしが言えるのはここまでよ。あとはあんた達で頑張りなさい。それじゃ」
放心状態になる二人を置いて、鞠はもう一度私に向かって手を振ってから教室を出て行った。
…なに、話してたんだろ?
私の元に戻って来る二人の顔は何故か赤くなっている。
口元を抑える湊と満面の笑みの和。
「花、帰ろっか?」
見たことないぐらいかっこいい笑顔で和が言うから。
「え!?…あ、あぅ。うん」
ドキッとして、顔が熱くなった。