天然お嬢と双子の番犬さん


帰り道は珍しく静かだった。
二人の間を歩くのはいつものこと。

だけど、どうしよう…?


「………、」

「「………、」」


いつもなら沢山お話するのに…、全然会話が出てこない!

私、いつもどんな話してたっけ!?どうしよう!全然話す内容が…出てこないよ!!
鞠が居た時は話が出来てたのに。三人になったら話が出来なくなっちゃった!


これが──────、



「五月病ってやつ!?」

「「は?」」



思わず声に出しちゃってたらしい。
二人はポカーンとしている。


「五月病ってなに?」

「GW明けとかに無気力になることだよ!」

「…それがどう関係あるんだ?」


どうって…。


「和と湊の傍にいると、ドキドキして会話出来ないから……、」


今までどんな風に話してたのか忘れるぐらい。

二人は同時に顔を逸らし、大きく溜息を吐いた。


「…桃園に感謝しねーとな」

「ハハハ…同感だよ」


鞠?もしかして帰る前に話してたやつの事?


「何話してたの?」


二人の制服の袖を引っ張ると、和と湊は同時に私を見る。

…ああ、どうして。
こんなにキラキラするんだろう。

いつもの道で、曇天の空模様。

それなのに、どうして世界が変わったみたいに全部がキラキラしてるんだろう。



「恋愛小説…面白かった?」



ピッシャーン!

雷が落ちた感覚って言うのは多分この事。

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