離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「帰国早々、どういうことだ」
「えっ」
紙面から私に向けた達樹さんの目に、どきりと鼓動が驚く。
奥二重の瞼にじっと見つめられると、全てを見透かされているようで途端に落ち着かなくなる。
視線はどこか鋭く、探るように私の目を見つめる。
「どういうも何も、この通りということです。今ここで、これにサインをしてください」
だけど、そんなことで引き下がるつもりは微塵もない。
今日まで散々寂しい思いをしたこと。
離婚をするという決断だって、相当悩んで出した答えだ。
その想いを込めて、達樹さんの目を見つめ返す。
睨み合うような態勢で達樹さんの出方を構えていると、なぜだか達樹さんは急に口角を上げ口元に微笑を浮かべた。
え……──?
彼がどういう心境だろうと疑問に思った時には離婚届を差し出していた腕を掴まれ、少し強引な力で引き寄せられていた。
驚く間もなく背を丸めた達樹さんの整った顔が近づき、ハッとして息を呑む。