離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「っ……!」
噛みつくように唇を塞いだ、柔らかい人肌の感触。
生まれて初めての感覚に、流れている時間が一瞬止められたような錯覚に陥った。
こちらがアクションを起こす間もなく、触れた唇は離れていく。
再び顔を合わせた達樹さんは、こんな場所でキスをしたにも関わらず全く動じる様子もなくどこか挑戦的な笑みで微笑んだ。
石像のようになってしまった私は、達樹さんを見上げたまま固まる。
だけど血だけは勢いよく流れて顔に集まってきて、たぶんかなり真っ赤になっている。
「な、何を……!」
「積もる話はゆっくり聞こう」
「えっ!? ちょっ」
掴んだ私の腕を引き、達樹さんはその場を歩き出す。