離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「待って、私は今この場でサインを──」
「夫婦の大事な話を、こんなところで立ち話で済ませるわけにはいかないだろ」
そう言われて少し冷静な頭で考えてみると、確かに空港のターミナルで済ませる話ではないと気付かされる。
「そうですけど、でも……」
有無を言わさずサインをもらい、気分一新空港をあとにするつもりだったのに、予定は大きく変更になる予感。
「まぁ、緊迫感は伝わったけどな」
私の出迎えにさらりとそんな感想を述べる達樹さんに焦燥感のようなものは感じられない。
むしろ全くダメージなど受けている様子もなく余裕だ。
私だったら、こんな状態でもパートナーに離婚届を突き付けられたら多少なりとも動揺するに違いない。
なんか、悔しい……。