離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


「そうか。結婚直後に日本に置き去りにして申し訳なかったと思ってる」

 思ってるんだ……?

「でも、おかげで向こうで集中して学びたいことも学べた。これからは、こっちでそれを役立てるつもりでいる」


 内科医で町医者である父親が自分にとって身近な医師で、父親の姿こそが私にとっての〝医師〟というものだった。

 診療は夕方には終え、夕飯は家族揃って食べる。

 日曜祝日は仕事は休みで、家族との時間を過ごす。
 年末年始は旅行に行くのが定番。

 私にとっては〝医師〟というものはそういうライフスタイルだとばかり思っていたけれど、それはかなり世間知らずのずれた考えだったのかもしれない。

 達樹さんのように外科医であれば、日々進歩していく医療に生涯学んでいくというのは当たり前のことなのだろう。

 今回たまたま結婚のタイミングで海外へ行くことになったのかもしれないけれど、今後もまたいつどこか遠くへ行くことになるのかはわからないのかもしれない。

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