離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
だんだん次々に思い浮かんできてしまって止まらなくなっていく私を、達樹さんはクスッと笑う。
「あ……欲張りすぎ、ですね」
まさか本当にこんなにたくさん挙がってくるとは思わなかっただろう。
ひとりで浮かれているみたいで急に恥ずかしくなってくる。
離婚する予定でいるくせに、これでは説得力がなさすぎる。
「そんなことはない。一年離れていて、何ひとつ叶えてやれてないんだ。一つずつ、ちゃんと叶えていく」
「無理、しなくていいですよ。こっちに戻ったって、仕事は変わらず忙しいだろうし、私のことは気にしないでください」
そう言うと、頬に触れていた手が顎を掴み顔を持ち上げられる。
強制的に上向かされ、達樹さんの整う顔に覗き込まれた。
「そういうのはいらない。仕事は仕事で滞りなくこなしていくから、心配は無用だ。みのりは、自分の願望に素直でいればいい」
「でも……」
「まだ言うか、この口は」
そう言った達樹さんの声は私の唇を震わせるほど接近していて、まさかと思った時には唇が触れ合っていた。
目を見開いたままキスを受け止めた私を、すぐに唇を離した達樹さんが顔を見てくっと肩を揺らす。