どうしているの?ねぇ、先輩…



……マフラー?


振り向いて、美香のマフラーを確認しようとしたとき。


振り向いた先で、目が合った。


今日だけは、絶対に出会ってはいけない男と。



「あ、れ……瞬くんたち、来てたんか」

「げ、大ちゃん……」



やっべ、嘘がバレる。



「え、あれ?大ちゃん、なんでいんの?」

「いちゃ悪いんか」

「え、だって、寒いし眠いから来ないって」

「大ちゃん、もう眠気醒めたの!?なに、こんな急にどうしたの!?」

「急じゃねぇよ。クラスの奴らと、そこで待ち合わせ。あずさとか、みんなと」

「……。」



……更にやっべぇ。


やべぇやべぇって思い続ける俺の後ろを、大ちゃんがのそのそ歩いてる。

そんで更にその後ろを、美香とめぐちゃんたちが楽しそうに歩いてて……


俺の隣を歩く瞬ちゃんは、なんでここに大ちゃんがいるのかを、眉を寄せて考えている。



「直人ー」

「はい…」

「お前さー」

「はい…」

「もしかして、大ちゃんのこと誘ったっての、うそ?」

「……。」



……バレてる。


バレてるよ、即効でバレてるよ。



「いや、あの、うん、ごめん…」

「は、まじで?なんで?」



理由まではバレてない。


美香を応援する今日の日に、大ちゃんを呼ぶわけにはいかないってとこまではバレてない。


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