どうしているの?ねぇ、先輩…
「あー、やっぱ喉んとこ粉っぽい。イズミン、あれでほんとに教師かよ」
むせるように咳払いをした瞬先輩が、制服の粉をパンパン払いながら廊下を歩く。
だから私も、真似るようにパンパンして隣を歩く。
図書室までの放課後の廊下は、意外と賑やか。
吹奏楽部のプープー響く楽器の音や、外から聞こえるホイッスルの音。
運動部の気合を入れる掛け声や、残っている生徒たちの笑い声。
私の知らない、放課後の時間。
こんなに身近で、こんなに賑やかに、私の知らない沢山の時間が動いていたんだ。
だけど私が1番知らないのは……こんな風に先輩の隣を歩く、この時間。
「七瀬はさ、生徒会立候補したの推薦的な理由だっけ?」
「はい。推薦的な……」
「んで、当選しちゃったわけだ?」
「まんまとハメられました」
「ははっ、誰にだよ」
瞬先輩がまた、大きく吹き出す。