どうしているの?ねぇ、先輩…
「あ、お金」
「んー、いいよこれくらい」
「でも、」
「それ奢るからさ、この後ちょっと付き合ってくんない?」
「?」
せめて飲み物は取らなきゃって、フルーツオレと先輩のウーロン茶を自販機から取り出す。
しゃがみ込んだ体勢から立ち上がったら、私の腕を先輩がグイッと引っぱった。
「え?え?」
「ちょっとついて来て」
2人分の飲み物を持ったまま、手じゃなくて腕を引かれて。
グイグイ引かれて歩くのは、階段。
階段を、どんどん上がって、更に上がって。
4階までの賑わう階では止まらなくて、更にその上へと進んでいく。
着いたのは、ものすごく静かな5階。
視聴覚室や図画室、なんの為にあるのか分からない多目的室……とにかく生徒のいない、静かな階。
「あの、どこに」
「………」
なにも答えてはくれないから、引かれるまま歩くけど。
1人、2人、3人……かろうじて見えていた生徒たちの数は、どこかを堺に誰1人もいなくなっていた。
先輩と私の足音だけしか聞こえない5階の廊下を、どんどん奥へ進んで行く。