どうしているの?ねぇ、先輩…



「あの、…先輩」

「ん?」


床に座り込んだまま、ぎゅって……ぎゅーって私を抱きしめながら、先輩の返事が耳元から聞こえてくる。

キスが終わったあとも私を抱きしめて離さない先輩と、もう何分こうしているのか。


「あの、生徒会室、行かなきゃ」

「……」

「体育祭のリーダーとの顔合わせ、今日、ですよね?」

「あー、リーダーの“章くん”も来るやつね」


章くんの名前を口にしながら、ぎゅーってする腕に力が入る。

なんでそんなに、章くん……


「章くんに自慢してい?」

「なにを……」

「七瀬とキスしたって」

「は!?絶対ダメだし!」

「え、いーじゃん」

「ダメ!絶対ダメ!そんなことしたらもう何もさせませんから!」

「うお、お前それはずるく、」

「ずるくない!ていうかもう放してください!」


半ば無理矢理先輩の腕から抜け出して、お尻を払って立ち上がる準備をする。


「もう行きますよ、みんな待ってる」

「あのさー、七瀬」

「なんですか」

「俺もう高3だよ?男だよ?健全だよ?」

「だからなんですか」

「正直今のじゃ、全然足りねんだけど」

「……。」


足りない、って。

そんなこと言われても……。


生徒会室行かなきゃだし、そもそもここは学校だし。


< 344 / 550 >

この作品をシェア

pagetop