どうしているの?ねぇ、先輩…
「あの、…先輩」
「ん?」
床に座り込んだまま、ぎゅって……ぎゅーって私を抱きしめながら、先輩の返事が耳元から聞こえてくる。
キスが終わったあとも私を抱きしめて離さない先輩と、もう何分こうしているのか。
「あの、生徒会室、行かなきゃ」
「……」
「体育祭のリーダーとの顔合わせ、今日、ですよね?」
「あー、リーダーの“章くん”も来るやつね」
章くんの名前を口にしながら、ぎゅーってする腕に力が入る。
なんでそんなに、章くん……
「章くんに自慢してい?」
「なにを……」
「七瀬とキスしたって」
「は!?絶対ダメだし!」
「え、いーじゃん」
「ダメ!絶対ダメ!そんなことしたらもう何もさせませんから!」
「うお、お前それはずるく、」
「ずるくない!ていうかもう放してください!」
半ば無理矢理先輩の腕から抜け出して、お尻を払って立ち上がる準備をする。
「もう行きますよ、みんな待ってる」
「あのさー、七瀬」
「なんですか」
「俺もう高3だよ?男だよ?健全だよ?」
「だからなんですか」
「正直今のじゃ、全然足りねんだけど」
「……。」
足りない、って。
そんなこと言われても……。
生徒会室行かなきゃだし、そもそもここは学校だし。