どうしているの?ねぇ、先輩…



手を握り返すだけで、こんなにもドキドキする。

目が合うだけで、こんなにもドキドキする。

先輩の手が頭に伸びてくるだけで、こんなにも……


「、…」


伸びて来た手が、私の頭をグイっと引き寄せて……そのまま先輩の胸に、埋まった。


「…あの頃に、戻ったみてぇ」

「、…」

「学校の、5階の……多目的室に連れ込んだとき」


その言葉に、懐かしい記憶が蘇る。

引っ張られるように連れ込まれたあの教室で、初めてキスをした時のこと。


「美香の髪、あの頃は今よりもうちょっと長くて」

「、…」


言いながら私の髪をすくう先輩の手が、くすぐったい。


「化粧も今より薄くて」

「えっ、今も薄いです」

「はは」


髪の毛をすくう手が離れて、また私の体をぎゅっとした。


「あの子、よく見かけるなーって、思ってた」

「…え?」

「あー、直人の友達だからかー、って」

「……」

「直人の傍にいるからよく見かけんのかー、って。そう思ってた」


え、なに。

瞬先輩、いつの話をしているの?


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