どうしているの?ねぇ、先輩…
「…恥ずかしい」
「見えないって」
「ちょっとは見える…」
「ちょっとじゃん。つーか一緒に入るって言ったのお前だろ」
そうだけど。
お風呂って、想像以上に恥ずかしい……。
「私はただ、話がしたくて……」
「話?」
「先輩が、ちゃんと知りたいって、言ってくれたから」
「ああ、うん。…………え、今ここで?」
お風呂で話すなんて思ってもいなかったのか、心底驚いた声が浴室に響いた。
「ダメ、ですか?」
「いや、ダメっつーか…。また蛇の生殺しじゃん」
「……」
……確かに。
あれ……なんかこれ、ものすごく自分本位の行動だったかも。
声には出さず反省する私を察したのか、先輩が少し背筋を伸ばした。
「いや、でもまぁ。まだ我慢できるし、聞かせて」
「いいんですか?」
「聞きたいって言ったのは、俺だから」
私の想いを汲んでくれる優しさに、性懲りもなく胸がぎゅっとなる。
好きだなぁって、こんなに近くで感じられる幸せを噛みしめて……
足の上に乗ったまま、暗闇の中で話し始めた。
章くんと二人で学校を辞めた、あのときのことを。