どうしているの?ねぇ、先輩…
先輩の足が、止まらない。
友達たちはもう遠くて見えないのに、それでも止まる気配がない。
手を引かれたまま、私も歩き続けるけど…
瞬先輩、やっぱり突然来たこと怒ってる…?
タイミングも悪かったし、ウザいことすんなって思ってる…?
歩くスピードが速いことと無言の時間が、不安をどんどん募らせていく。
私、やっぱり来ないほうがよかったかな……
「あ"ーー、くそっ」
「…!」
赤になった信号に足を止めたのとほぼ同時。
先輩が珍しく、むしゃくしゃするみたいに感情的な声を出した。
私よりも背の高い先輩を見上げてみたら、やっぱり唇がむっとしていて…
「…ごめんなさい」
無意識みたいに、声が勝手に口から出てた。
だって、これ以上怒らせたくない。
1秒でも早く、謝らなきゃって…
「え、」
「、…」
「ごめんなさいって」
「、」
「なにが?」
「え?」
手を繋いだまま、お互いの目にはお互いの顔が映ってる。
私の目に映る先輩は……ポカンとした顔。
「え?」
「…え?」
「いや、え?じゃなくて」
「え、」
「え?」
待って、なにこれ。
会話が…
「はは、噛み合ってなくね?」
そう、会話が全然噛み合ってないこの感じ。