どうしているの?ねぇ、先輩…



「すげぇ恥ずかしい…」

「ふっ、あはは」


私に怒っていたわけではなさそうな先輩に、一安心。


怒ってない。

それが分かるだけで、繋がれている手も温度を変えたように温かく感じる。

単純すぎるな、私。


だけどほんとに嬉しくて、今更だけど手をぎゅっと握り返してみた。


「なに、どこで覚えたのそれ」

「どれですか?」

「手、ぎゅーってするやつ。手繋ぐ練習の時、昔は全然握り返してくんなかったじゃん」

「あー…」



───“、、…死、ぬ、、”

───“死なねぇから。ちょっと、握り返してみてよ”

───“、…ムリ、、”

───“無理じゃねぇって。手に力入れるだけだろ”



「…あの頃は若すぎて」

「ほんとは俺と離れたあと、章くんと繋いで慣れたんじゃねぇの?」

「……」

「え、待って、今のは冗談なんだけど」

「えっ、あ、冗談」

「待って、黙られると逆にモヤっとする…」

「ち、違いますっ。上手い返しがわからなかっただけで、繋いでません!」

「…いや、うん、ごめん。自分から振っといて……ごめん」

「、…」


話を振ったのは確かに先輩だけど、上手に答えられなかった私も悪い。

そもそも今日は、章くんのことをちゃんと話すために会いに来たのに。


そうだよ、早く伝えなきゃ。


今、伝えなきゃ。


章くんは本当にただの友達だって、わかってもらわなきゃ。


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