BLADE BEAST
「…………っ……ぁ、」

「まさか。これくらいで死なないから」

「…ゔぁっ……あぁああ!!」

「狸寝入りしても無駄」

「…ゆるし、グハッ!!!」





「命乞いも無意味。────気が可笑しくなりそうなほど、お前らを殺したくてたまんない」





原型なんてもんはとうに残っていない男達の顔面をさらに殴りつける眞紘は、乱雑に髪を掴み引っ張りあげると容赦無く地面に叩きつけた。

氷よりも冷たい瞳。

そっちの世界の瞳。

冷静な狂気を纏った彼は、痛みと恐怖で喘ぐ男に跨って何の遠慮もない無慈悲な眼差しを向けていた。





「……俺、優しくないから」





同時に、悲鳴に似た男の叫びがあたりに木霊して、完全に意識を飛ばした者と次は自分だと恐怖に怯えて震える者に二分される。

私は、やはりただ見ていた。

他の二人にもねじれた狂気をぶつける眞紘のことを、ただただ──見ていた。
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