仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。
「ありがとうございます……蓮司さん」
「今度指輪見に行こう、一緒に」
指輪……! 一緒に選びに行けるの?
「あぁ、そうだ。俺の友人の奥さんがジュエリーデザイナーさんなんだよ、だからその人に頼もうか」
「そうなんですね」
「じゃ、頼んどく……咲良おいで」
蓮司さんは私を抱き上げて膝に座らせるとスマホを取り、電話帳を開いて【久我紘希】をタップする。
呼び出し音が響き、「久我です」と男性の声が聞こえてきた。
「頼みがあるんだけど紘のとこで、というか奥さんに指輪作ってほしくて」
「え、葵結? ちょっと待ってて─︎─︎」
電話の中では「ママー!」と小さい子の声が聞こえてきて優しい口調で女性の声が聞こえてきた。
「─︎─︎お電話代わりました、久我葵結です」
「あ、久しぶり葵結さん。お願いがあって……」
「はい、さっき紘くんから聞きました。結婚指輪のオーダーの件ですよね」
葵結さんと蓮司さんがお話をしている間、私は後ろからぎゅっと抱きしめられてドキドキと心臓が壊れそう……。
ドキドキしていると電話を終え、蓮司さんは切るボタンをタップした。
「咲良、今から行こう」
「えっ? 今からですか!?」
「そうだよ」
蓮司さんはそう言うと、私を抱き上げて「さぁ、行くか」と呟いた。