幼馴染からの抜け出し方

 告白のことを思い出したら、声を掛けられなくなった。

 返事をしないまま逃げ出すという最低なことをした私が、どんな顔で由貴ちゃんに会えばいいのだろう。

 由貴ちゃんは怒っているだろうか。いや、優しい由貴ちゃんのことだから、たぶん怒ってはいないはず。でも、傷付いていると思う。

 私は、手を振ろうとしていた右手を胸の前に持ってくるとぎゅっと強く握りしめた。

 まずは、昨日のことをしっかりと謝ろう。そして、告白の返事をしないと……。

 でも、なんと答えればいいのだろう。

 私にとって由貴ちゃんはとても大切な存在で、由貴ちゃん以上の人なんてきっといないし、これからも現れないんだと思う。

 さっきの合コンで改めてそう気付かされた。

 だけど、この想いをいったいどう呼べばいいのか、まだはっきりとわからない。

 私の由貴ちゃんに対する気持ちは、これまでと同じ幼馴染としての好きなのか、それとも……。

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