弔いの鐘をきけ
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恋など、くだらないと思っていた。
物語のなかで王子様とお姫様が結ばれてめでたしめでたし、という王道展開ほど、ジェシカをうんざりさせるものはなかった。あたしが求めているのは未知との遭遇。ニコがタチアナ書房から出したクリフト警部の事件簿シリーズやスリリングなサスペンスにアクションホラー……
ふつうの男女が出会って恋をするなんて三文芝居、興味がなかった。けれど、なぜそれが面白いのか理解できなかったという方が正しいのかもしれない。
だからきっとこれは罰。
「葬式の日に喪服の孫娘と関係を持つなんて、正気の沙汰じゃないないわよ」
「それが君の答え?」
「天国に近い場所に、連れて行ってくれるんでしょう?」
挑むように言い返せば、ミトはああ、と自信満々に頷いてジェシカを苛立たせる。年上の余裕なのか、それとも逆に自棄になっているのか。
「わかったわ。そのかわり、唇へのキスは許さないんだから」