薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~


「サル!」
 アルパカの時間も終わり、次のスポットへと赴いた。
 いわゆる猿山の上に、サルがたくさんいた。
「おお、柚実がたくさんいる」
「誰がサルだってぇ?」
 私は彼の頬をつねる。
「痛てっ」
 純は顔を逸らす。
「あれがボスザルかなぁ」
 お山のてっぺんで、大将がどん、と座っていた。
 その周りをキーキー云いながらおサルたちが飛んだり跳ねたりしていた。
 ちょうど柵の前にベンチがあったので、私たちはそこに腰を下ろした。
「サルかぁ。顔赤っ」
 私が独り言ちていると、純はベンチに寝転がり、私の膝にあたまを下ろしてきた。
 純が、ひと前でこんなことするなんて、びっくりした。
 何だか今日は色んな純が垣間見れて、嬉しい。
「はー」
 と、純が息をつき、目を閉じる。
「疲れた?」
「いや。動物もいいもんだな」
 6月の風は爽やかで、私たちを優しく撫でていく。
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