薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
 病院に運ばれて、診断の結果は盲腸だった。
 私は大病院へ入院することとなった。
 手術も終わり、その日も純はお見舞いに来てくれた。
「失礼します」
 4人部屋の一番廊下側の私のベッド。
 他2つ埋まっている、窓際のベッドの患者さんにあたまを下げて、純は病室へ入ってきた。
「どうだ。調子は」
 私は備え付けのテレビでワイドショーを見ていたところだった。
 彼が来てくれたので面白くないテレビを消し、使用していたイヤホンを外した。
「大丈夫だよ」
「そうか」
 学校帰りの彼は、制服姿だ。
 白いワイシャツに、学ランの黒いズボン。
 肩掛けのカバンを取ると、ベッド脇のパイプ椅子にそれを置いた。
「いつも悪いね。軽音の練習は?」
「練習出てたら、面会時間少なくなっちゃうだろ」
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