心理作戦といこうか。
この不思議な空気を破ってくれたのは、菅野さんだった。
彼女はいつも優しく助け船を出してくれる心強い後輩だ。
「はじめまして。
私は水谷さんの後輩の菅野と申します。
水谷さんにはいつもお世話になってます!
日頃の恩返しじゃないですが、野中さんが心配しないよう、水谷さんの事は見張っておきますからご心配なく。
それにしても!水谷さん!
水くさいなあ。
彼氏が居たなら教えて下さいよ~」
「見張るって何よ!」と怪訝な目で菅野さんを見て、ゆらゆらと肩を揺らされているけど気になるのは腕に回る玲くんの腕。
(そろそろ離してと言おうかな。。。)
「えっと・・・。」と私の言葉に被せるように玲くんが言葉を発する。
「菅野さん、ありがとうございます。
僕の知らないところで、変な虫が付かないよう見守って下さると嬉しいです。
真琴?
これからは、ちゃんと報告しないとだめだろ?
菅野さんだって心配してくれてる。
恐らく真琴の部署の方は全員心配してくれてると思うぞ。」
「あう・・・。」