心理作戦といこうか。
突っ込みどころが満載過ぎてどこをどう訂正してたら良いのか迷っていても、玲くんと菅野さんが私の事を待ってくれないで次々と話を進めていく。

「水谷さん、いいな~
 私も男気の溢れるひととお付き合いしたいな~」

「えっ?菅野さん…彼がいるでしょ。
 それに私は…」

菅野さんは所謂、社内恋愛中だ。
私たちの関係を訂正しようとしたら、また玲くんが被せるように言葉を発する。

「真琴。変な言い回しはだめだぞ。
 今まで皆様に交際をお伝えしなかったのには僕に原因があります。
 真琴が社会人になってから直ぐに結婚の話はあったのですが、昨年まで海外に行ってしまったので待たせてしまう形にしたのは僕なんです。」

「はっ?」"初耳です。"と言おうとしたら口を抑えられた。

絶対に外堀がなんちゃらってやつじゃんか!!
私の両親も玲くんのご両親もちかちゃんもだけど、まさか職場の方にもとは……。
本当に危険なひと。
子ども頃からの仲だけどこんなに策士だとは思わなかった。
そこまでしなくても私は残念ながらモテませんが。。。

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