心理作戦といこうか。
玲くんが言ったことを思い出してみる。
『いつも、真琴がお世話になってます。
僕は真琴とお付き合いをしている野中 玲と申します。
将来の事が決まりましたら、また日をあらためてご挨拶に参ります。
至らないところがあるかと思いますが、どうか暖かい目で見守って下さると僕としては助かります。』
・・・。繰り返し繰り返し、頭の中で再生と巻き返しをするがやはり全て彼に振り回されている気がする。
それに昨年まで海外に行っていたなんて初耳だ。
単に私が知らないだけで実際は海外に行っていたのかも知れないけど。
とにもかくにも話が済んだのなら用事を済ませた方が良いのではと提案をしようと思った。
「れっ、玲くんは役所に用があったんだよね?
ほっほら!!フロアマップあげるから!!
ねっ?」
「真琴?
俺の用は真琴の職場の皆様にご挨拶することだからフロアマップは必要ないよ。
昨夜、職場に報告しろよって言ったの忘れたのは誰だよ?」
「なっっ!?」
唖然と呆然を行ったり来たり。。。
本当に危険なひと。
「昨日は色々あって…でっでも…忘れたつもりはないよ。」
簡単にお付き合いの事も承諾しちゃったけど、なんだか不安になってきた。
「忘れてないなら良いけど。
それじゃ、真琴。
仕事が終わったら18時に正門のモニュメントの所の約束。忘れるなよ!」
「うん。」
完全に丸め込まれてる事が…殆んど確定に近い…と思った。