心理作戦といこうか。
そういえば玲くんはいつ、副業に気が付いたのか聞いてない事に気が付いた。
この流れだったら不自然じゃないから、今がチャンスだと思った。
スゥと息を吸って吐いてをする。
変な緊張感。
心が落ち着かない。
意を決して。

「ねっねぇ?
 あのさ、玲くんは、その…いつ私が別の仕事をしているのに気が付いたの?」

「ん?ああ、その事?
 あの店のオーナーと俺は知り合いって言っただろ?
 真琴は知らないかも知れないけど、親父とオーナーが友人関係なんだよ。
 真琴が副業したい事を千景に相談しただろ?
 それを千景から聞いてあの店を俺が紹介した。
 まあ、そんなところだろ。」

それって二人の罠に嵌まった…っこと?

「えっ!?ひどい!!
 それじゃ、最初から仕組まれてたって事!?」

「別に騙したつもりはないし、仕組んでもない。
 千景に"真琴から電話で相談受けたんだけど、副業先を探してるみたいだけど何処か良いところ知ってる?"って聞かれたからあの店を紹介しただけ。
 悪いけど、俺に内緒で千景に相談した事については怒ってるからな。
 なんで、俺じゃなくてあいつなんだよ。
 ちゃんと説明しろ。」

立場が逆転してしまった。。。

「…だ、だって…、玲くんに相談したら、公務員は副業禁止だろって言われると思ったから。。。」

実際、そうなって廃業になったわけだし。
私の考えは間違っていないはず。
それに新聞社に勤めているちかちゃんの方が色んな情報を持ってるのかなって思ったし。

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