心理作戦といこうか。
カーテンの隙間から明るい光が差し込み目が覚めた。
(あのあと、本当に寝ちゃったんだ。。。)

良く寝たなと起き上がろうとした、
その刹那ーーーー「あっと…お…え?」
隣で寝ている玲くんが普段より近いなと思っていたら、抱き締められていた。。。

「まこと?起きたのか?」

「ん?うん。おはよう。
 今日もお天気が良いみたいで太陽に起こされちゃった。」

「なら、もう少しこうしてよう。」

心臓がバクバクしていて、抱き締めている腕から玲くんに伝わってしまうのでは?と思うと更にドキドキが増していく。

「れっ玲くん。少しだけ腕の力をそのっ弱めてよ。」

「ん~?」

え?
うそでしょ?
もう、寝ちゃったの?
もう少しこのままってあと何分だろ?
緊張しちゃって、残念ながら私は二度寝は出来そうもない。

二度寝している玲くんの頬を軽くつねってみた、その刹那ーーーーつねった右手を取られた!?

「あっ?ごめんね。」

「人の睡眠を妨げたらどうなるか。
 真琴?わかる?」

「え?分かんないよ。
 ごめんねってば!!」

「早く。真琴。
 つねったところにごめんねってして。」

・・・。え?
『つねったところにごめんね』?
言われたままに、頬にむかって「ごめんね」と言ってみた。

「ちがう。つねったところは痛いだろ?
 どうすれば治ると思う?」

これは、ご所望ではなかった。失敗。

「いたいのいたいの飛んで行け?」

「ちがう。ほら。ここにして。」
そう言いながら、つねられた頬を指差しながら私の唇に触れた。

まさかの、つねった頬にキスをして・・・とは!?
終わりが見えないので言われた通りに軽く触れるくらいのキスをした。

「真琴。ありがとう。
 これで治った。」
満面な笑みで締めくくった。
朝から甘い雰囲気の玲くんに呆気に取られた。
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