心理作戦といこうか。
"今日は車で連れていきたい所がある。"との玲くんの提案を一つ返事をして、寝室を後にした。
今日も貰ったスニーカーを履きたくてそれに合う洋服を見繕う。

少し動くとの事だったので、ブラックのオーバーオールにホワイトのブラウスにしよう。
オーバーオールのシルエットが綺麗で上手に体勢をカバーしてくれる。
ブラウスは首回りが花びらのようになっていて、腕の部分が大きくパフスリーブなのでこれもまた上手に体勢をカバーしてくれる手助けに持ってこいだ。

「うん。これでよし!
 鞄は小さめのにしようかな。」
小さめの鞄を探していたら玲くんの準備が完了したらしく、トア越しで呼ばれたので慌ててモコモコのブラックの小さめの鞄を手に取った。

「真琴?まだ?」

「ごめんね!鞄にスマホをお財布を入れたら出発できる!」

ドアを開けると爽やかな男性が一人。
壁に寄りかかってこちらを見ていた。

「玲くん!
 今日もかっこいいね~」

「そうか?
 さりげなくお揃いだな。」

「あっ!確かに!
 相談してないのにね~」

玲くんのファッションはブラックのパンツにホワイトのシャツだった。
とてもシンプルだけど彼を引き立たせるにはじゅうぶんと言えるチョイスだ。

「準備が出来たところで出発しようか。」

「うん!」
自然と手を繋ぐ行動もだいぶ板についてきた。
ドキドキはするけど、手を繋いて欲しいと思っている気持ちの方が大きいからとても嬉しい。
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