婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
レナードとの約束の時間になり、2人を見送ると、部屋の中で息を潜めるようにして報告を待った。
なにも映さない水晶を、それでもと覗き込んでみる。けれど、もやどころか、なにも見えてはこない。もしかしたら、見たくない場面を考えてしまい、私自身の精神が邪魔をしているという可能性もある。


「セシリア」


不安な中、アルフレッドに呼ばれて思わず顔を上げてしまった。

「ラ、ライラですから」

誤魔化すように今の名前を告げるも、気まずさが増すばかり。


「ライラ……そうだったな。ライラはいつから占いを?」

「本格的にはじめたのは……数ヶ月前からよ。元々力はあったみたいで。ドリーに特訓してもらったの」

「そうか……それなら、ドリーに会う以前は……」


なんとなく、彼の聞きたいことが見えてくる。
気を利かせたのか、両国の護衛は席を外した。




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