婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
彼の質問から、逃げられそうにない。
今となっては隠すことでもないかと、自分の話をはじめた。


「10歳の誕生日に、父と一緒に町へプレゼントを選びに行ったの。その時に入った雑貨屋でこの水晶を見つけて、どうしても欲しいって思ったの」

その出会いが、ドリーによるものだということは、特に言わない。

「なんとなく水晶を眺めていると、なにかを映し出すことがあるって気が付いたの」

「君が占おうとしないのにか?」

「ええ、そうよ。ドリー曰く、私の潜在能力がそうさせたんですって。
雨で崖が崩れるとか、なくしたものが見つかるなんて場面を見たわ。半信半疑で、でもどうしても気になって、出かけようとする父を引き止めたりもしたわ。後日、水晶で見た通りのことが起こるの」

この力が、前世がつながっていることも、特には話さない。それを知ったところで、どうしようもないから。



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