婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「ライラ!!無事にもどったぞ」

ルーカスの、褒めて褒めて感に呆れつつ、誰一人大きな怪我もなくもどれたことを、素直に喜んだ。

レナードと共に捕らえた男は、すぐさま王都へ連行されていった。ちらっと見えたレナードは、ヴァネッサによく似ていて、一瞬苦い思いが込み上げかけた。
けれど、それだけ。きっと、少し前にアルフレッドと話をしていたせいだ。
それに、私がなにかを思うまでもなく、カニンガム家には、軽くないお咎めがあるのだろう。


「さてと、すぐにでも宿に帰りたいところだが……」

「ルーカス、あなたの帰るべき場所は、サンミリガンのお城だと思うわ」


この人、本当の本当に、サンミリガンの王子なのよね?


「まあ、細かいことには拘るな」

いえ、大切なことだと思うわ。


「一応、視察で来ている以上、少しぐらいグリージアを見て回るか」

「城へも招待しているが?」

アルフレッドが当然だろと、ルーカスを見遣る。

「あれ、建前でだろ?」

「そんなわけあるか。隣国の王子を招くんだぞ。いくらこれまで交流がなかったとはいえ、国王陛下の謁見なしで済ませるわけにはいかない」

さすがアルフレッド。その通りだわ。
ジャレットですら頷いてるし。


「はあ……まあ、公務と称して愛しい婚約者と一緒にいられるのなら、我慢するか」

「違うから。私一人で帰るから」

「「それはだめだ」」


なんでアルフレッドにまで引き止められるのか……
足のない私は、仕方なく同行するハメになってしまう。


ていうか、陛下に会うとか絶対にないから。
今さらどんな顔をして会えと?




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