婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「おまえは!!」

ルーカスの声に、思わず窓の外を見た。
盗賊と思われる男は4人は、既にその場に倒れていた。

残るは……おそらく魔女なのだろう。
妖艶な笑みを浮かべた、綺麗な女性が立っていた。

すらりと背が高くて全体的に細身なのに、出るところはちゃんと出ているという、同性でも思わず目を奪われてしまいそうになるほどの美人。
真っ赤に塗られた唇を見つめれば、吸い込まれてしまうんじゃないかと、あり得ない妄想をしてしまう。


「あら、獣人の王子様。お久しゅうございます」

優雅に微笑んだ魔女は、ルーカスに思わせぶりな視線を向けた。その口ぶりからすると、面識があるみたいだ。


「意図せずとも、再び出会ってしまった。これはもう、一緒になる運命かもしれませんね」

嫌悪感を表すように、ルーカスはぶるりと体を震わせた。見ればジャレットも苦々し面持ちで魔女を睨みつけている。



「レナードと通じていたのは、おまえか?ミランダ」

「まあ、嬉しい。名前で呼んでいただけるなんて」


噛み合わない魔女の反応に、チッと舌打ちをしたルーカスは、ミランダに向けた剣をぎゅっと握り直した。


「答えろ。答えなければ、その首を切り落とすぞ」

「まあ、いいのかしら?あの呪いが解けなくなっても」

呪い?
なんの話をしているのかしら?

珍しく、ルーカスが一瞬たじろいだ。





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