婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「自分の人生なんだもの。こんなところで無駄になんてしてられないわ」



ー緩衝地帯へ行くー


迷ったのはほんの一瞬で、すぐさま決断した。


そうと決めると、父に姿を消すことを詫びる手紙を残し、水晶と最低限の荷物をまとめた。
セシリアだとバレるのもよくないだろうから、簡単な変装もして、裏口からそっと外へ踏み出した。




「セシリア!!」


鋭く呼び止められて、ビクッと体を震わせた。
外に出た早々に人に見つかるなんて、ついてないわ。


「ヴィンセント……」


そこに立っていたのは、幼馴染で、今は騎士となったヴィンセントだった。






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