教えて、春日井くん
「お化け屋敷は?」
「……危ないしやめておこう」
「危ない?」
「うん。怪我とかするかもしれないからね」
「怪我なんてしないんじゃ……もしかして春日井くん、怖いの苦手とか?」
確信してにんまりと笑ってみると、春日井くんの顔が青ざめていく。
「弱点みっけ」
春日井くんは怖いのが苦手らしい。まだ可愛いところがあったなんて。大発見だ。上機嫌な私に対して、春日井くんがおろおろとし始める。
「いや、別に怖いとかじゃなくて!」
「じゃあ、今度春日井くんの家でホラー映画でも見る?」
「え、あ、う……いいよ!」
嫌がるかと思っていたので、「どうして?」と聞いてしまった。ちょっと投げやりになっているのかもしれない。軽く提案しただから、流してくれていいのに。
「かっこ悪いって思われたくないし」
「そんなこと思わないのに」
「昔は苦手だっただけど、今はさすがに平気だよ」
小声で「きっと」と付け足された。嫌がったら観るつもりはなかったけれど、春日井くんが了承したため早速明日観ることになった。
大丈夫かなと心配だ。観ていて春日井くんが嫌そうだったら、子犬が出てくるほのぼの系の映画が家にあったため、それを観ようとひっそりと決めておいた。