イミテーション・ハネムーン




「圭吾さん、見て!見て!
すっごく綺麗よ!」

次の日も朝から列車での移動だった。
私は車窓を通り過ぎる美しい景色に、歓声を上げた。
やがて目的地に着いた私達は、テーマパークへ向かった。



「わぁ、おいしそう…!」

「可愛い~!」

自分でもなんだか異常にテンションが高いことがわかっていた。
もしかしたら、不安が大きくて、その反動が来ていたのかもしれない。
逆に、圭吾さんはどこか元気がないように思えた。
一緒にアトラクションを楽しみ、それなりに楽しそうにはしているのだけど、どうも昨日とは様子が違うような気がして、そのことが少し気がかりだった。







「ねぇ、少し飲みに行かない?」

食事の後、すぐに圭吾さんがそんなことを言った。



「ええ。良いわよ。」

私達は、ホテルのバーに向かった。
ジャズの流れる小洒落たバーだ。



「紗季…ハネムーンも明日で終わりだね。」

「そうね…とっても楽しかった。
……圭吾さん…本当にありがとう。」

私がそう言うと、圭吾さんは私の目をじっとみつめた。



「あの……」

何かを言いかけて、圭吾さんの言葉は途絶え、グラスのお酒をぐいとあおった。


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