イミテーション・ハネムーン
「圭吾さん…?」

圭吾さんは、手に持った空のグラスをじっとみつめ、ぽつりと呟いた。



「紗季…ハネムーンから帰ったらどうするの?」

「え…?ど、どうするって……」

思いがけないことを訊かれて、私はすっかり返答に困ってしまった。
どう答えれば良いのか、圭吾さんはどんな答えを期待してるのか、まるでわからなかった。



「ねぇ…どうするの?」

圭吾さんの目が私を射抜くようだった。
重ねての問いかけに、私は困り果て、ただ曖昧に笑った。



「……まさか、変なこと考えてないよね?」

咎めるような鋭い視線…
その時、私は悟った…圭吾さんは私がやろうとしていることに気が付いてるんだって。



「圭吾さん、えらく真剣な顔してどうしたの?」

笑いながら、私は質問をはぐらかした。



「紗季…真面目に答えて。」

そんなこと言われても、本当のことなんて言えるはずがない。



「……私が何をしようと関係ないでしょ?
私とあなたはどうせ偽物の夫婦なんだから…」

キレた…自分でも呆れるようなことを私は口にしていた。


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