Young days
伊織はハッとした。
秀晴にまで気付かれていたという恥ずかしさで激しく動揺した。


『伊織、俺を誰だと思ってる?』


『…だっ、誰って、ヒデさんはヒデさんだよ。』


『…そう。お前がオギャ〜って言った時からお前の事は良く知ってる。』


秀晴は伊織の父を師匠と慕い、まだ小さかった頃の伊織とも一緒に波乗りをした仲だ。


『お前の目ん玉ん中に常に誰が居んのかぐらい遠の昔にお見通しってもんよ。』


『やめてよ。何言ってんのか分かんない。』


『馬鹿か。JKが恋バナの1つや2つ。んなもん、むしろそれしかねぇ〜だろ〜。どうせアレだろ?莉乃帰ってくるって聞いて、流唯が浮かれて、海でも見るかってなもんでしょ〜よ?』


『…ヒデさんまで…やめてよ。』


衣千華といい、秀晴といい、何も言ってないのにまるで心を覗かれてるような感覚が伊織はたまらなく恥ずかしかった。


『恋せよ乙女!アオハルは秒で過ぎてくっつったろ?莉乃は姪っ子に違いねぇ〜けど、伊織は俺の妹みたいなもんだからさ。』


『はぁ?ヒデさんがお兄ちゃんとか、あり得ないから…。』


内心嬉しかった伊織は照れ隠しで笑った。


『なんでよ?まぁ、年は離れてっけど、俺がお兄ちゃんで喜ばない女子居ると思わなかったわ〜。それマジハートブレイクね。』


『なんか言葉のチョイス、トトに似てきたね。』


もう笑うしかなかった。


『ねぇ、言って?何がダメ?俺をお兄ちゃんと思えない理由!10個言ってみ?』


『…ん〜。毎年彼女が変わる。』


『まず1個な?それは仕方ないのよ。俺…こんなだけどモテるから。はい、次ッ!』


『朝お酒臭い。』


『それはさぁ〜、お仕事だから。ね?伊織にはまだちょっと分かんないかもだな〜。これも仕方のない事。はい、次ッ!』
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