会長サマと、夢と恋。

「き、し……先輩?」

「……」

「はるま、先輩」

「……陽菜子」

「‼︎」

……それは、岸会長にはじめて呼ばれた、わたしの名前。
すると、会長は少しだけ体を離して、大きな目でわたしの顔をじっと見つめて。

……いつかの教室でのことを思い出す。

だけど今度は、あのときとは違って、

少しだけ、ほんとうにほんの一瞬だけ、唇が触れた。


緊張とドキドキで、ぎゅっと目を閉じていると、

「……はは、すげー顔」

面白そうに笑う会長の声が聞こえて。

目を開けると、わたしをバカにする岸会長の顔も、今までにないぐらい真っ赤だった。

< 175 / 177 >

この作品をシェア

pagetop