会長サマと、夢と恋。
「き、し……先輩?」
「……」
「はるま、先輩」
「……陽菜子」
「‼︎」
……それは、岸会長にはじめて呼ばれた、わたしの名前。
すると、会長は少しだけ体を離して、大きな目でわたしの顔をじっと見つめて。
……いつかの教室でのことを思い出す。
だけど今度は、あのときとは違って、
少しだけ、ほんとうにほんの一瞬だけ、唇が触れた。
緊張とドキドキで、ぎゅっと目を閉じていると、
「……はは、すげー顔」
面白そうに笑う会長の声が聞こえて。
目を開けると、わたしをバカにする岸会長の顔も、今までにないぐらい真っ赤だった。