会長サマと、夢と恋。
わたしから離れた会長は、まるで何事もなかったみたいに散らばったファイルを拾いはじめる。
戸惑うわたしをよそに、会長は黙々と手を動かしているから。
疑問に思ったことを、恐る恐る聞いてみる。
「会長?」
「……ん?」
「岸会長……えっと、遥真先輩は……わたしの、なんですか?」
わたしの問いに、会長は少し考えて。
「……俺はお前の、専属の家庭教師。それから、」
そこで一度言葉を区切って、立ち上がると、わたしの耳元に顔を寄せて、
「彼氏、だな」
……って、今までに聞いたことがないぐらい、いい声で言った。