恐怖ダウンロード
それは初めて聞く夢の本音だった。


夢は復讐の鬼になってしまったのだと思っていたけれど、違ったみたいだ。


「靖子への損失が少なかったことから、やってやろうって決意したの」


「そうだったんだ」


夢は夢なりの考えがあって、今までやってきたのだ。


それがわかると少し心が軽くなった。


夢のこのアプリで苦しんでいたのだとわかって、嬉しかった。


「今回の損失が終われば、全部終わるよ」


「うん、そうだね」


あたしは頷く。


どうせ今回の損失も簡単なものだろう。


今までそうだったように。


アプリに取り込んだ写真の4人全員が死んでしまったから、これでアプリも停止するだろう。


本当に、これで全部終わりなんだ……。
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