エセ・ストラテジストは、奔走する
突然の熱の共有に咄嗟に目を瞑ると、もう茅人に触れられているところばかりが敏感になってしまう。
「…っ、ふ、」
深さを増すキスの合間に呼吸を繋げようと口を開いたタイミングを逃さないと、彼の舌が侵入してきて、びく、と分かりやすく体が反応した。
そのまま自然な動作ですぐ傍のベッドへ誘導されて、背中にスプリングの揺れを感じる。
これはもしかして、作戦、成功したの…?
いや待って、
でも私、まだ電気消してつけただけで諦めたのに。
茅人に触れられるたびに隈なく温度が上がっていく身体を感じつつ、思考はぐるぐる回るし、その状態のままうっすら目を開けると、整った顔が私を見下ろしていた。
「…千歳。」
「はい。」
「他の作戦は?」
「……え?」
「ムードの他は、どういう作戦だったの。」
……え、それを発表するの…?
かあ、と顔に熱がまた一段と集まって何も言えず瞬きだけをしていると、茅人の瞳が柔らかくほぐれた。
そしてそのまま私の耳朶や首筋に軽く口づけを落とされる。
「……あの、茅人、」
「うん。」
「作戦は…っ、その、」
「うん。」
優しく返事はしてくれるけど、動きは全然、止まってくれない。
彼の唇が私の身体の輪郭をなぞるように触れていく。
この人、答えさせる気はあるの…!?
「…さ、作戦2は、“可愛い服を着る“…、」
「勝負下着」なんて単語を茅人に伝える勇気が私には無さすぎる。
曖昧にぼやかしてみたけど、服はよく考えたら今は
いつものパジャマだし、もう私、駄目だ。
気まずくなって視線を逸らしたら、くす、と小さな笑い声が届く。
「…なんで笑うの。」
「笑って無い。」
…嘘だよ。
何やら楽しそうな彼を少し睨むけど全く反省してない様子のままで、いつの間にかパジャマに侵入していた手にブラのホックを難なく外された。