エセ・ストラテジストは、奔走する
「__っ、」
あまりに予想外の展開に、混乱でうまく言葉が出なくなってきている。
茅人の手は優しいままだけど、そっと私の背中を撫でて、動作は止まらない。
ドキドキが加速して、自分より一回り大きい手の甲に弱く自分の手を重ねてみると、すぐに全てを包むみたいな温かさを保って、指を丁寧に一本ずつ絡めとられた。
「っ、う、」
前開きのパジャマは、もうかろうじて袖を通っている状態で、その状況に気づいた瞬間、鎖骨辺りにもキスをされた。
なんか変な声出たし、恥ずかしさでシーツに縫い付けられたまま繋がった手に力を込めると、顔を近づけてきた茅人が、まるでそんな私に応えるように再び唇に熱を落とす。
「可愛い。」
「…え、」
相手が言葉を発せば当然吐息がまるごと重なるような距離で、しっかり視線を合わせながら呟かれた言葉に、瞳を白黒させる。
「“これ“。初めて見た。」
「…、」
とっくに丸見えだったブラを上に造作なくずらして、
露わになった胸の膨らみにもまたキスが落ちて、もう、頭がうまく働かなくなってきた。
「あ、たらしく買った、から…っ、」
…いや、待って、
これは別に茅人にわざわざ言う必要は全く無かった。
言ってから直ぐ後悔が襲ったけど、彼は「なるほど。」と何を納得したのか、やはり無表情の中でも、いつもと違って少しの楽しさが垣間見える。