エセ・ストラテジストは、奔走する
◽︎
「…高校に、行くのかと思った。」
「まあそれももちろん私たちの母校だけどね。」
「理世と出会ったのは、大学だもんね。」
「……茅人君ともね。」
何も不自然なく、美都が笑ってそう言ってくれるから
私も眉を下げて笑った。
「懐かしいな。」
県庁所在地がそのまま名称になった国立大学。
私や美都の地元は、ここから少し離れた田舎だけれど
大学周りはそれなりに栄えている。
土日でも学生は沢山いて、特に困ることなく大学内に足を踏み入れた。
「ねえ、千歳ちゃんのバイト先行こうよ!」
「ええ?」
今日の美都は、なんだか元気がある。
母校ハイだろうか。
ぐいぐいと引っ張って楽しそうに進む彼女に、表情も心も柔らかくなった私は従うように足を進めた。
「閉まってる!!」
「あ、そうだ、土日休みだったそういえば。」
「やる気ないねえ。」
「まあ、生協の書籍部だから。」
辿り着いた場所は、数年前、私が働いていた時と何も変わっていない。
今日はシャッターが閉まってるけど、
大学内にある、なんの変哲もない生協はいつもそれなりに賑わいを見せる。
食料などが販売してある購買部の隣に、書籍部が隣接してあって、私はそこで大学2年の頃、アルバイトを始めた。
「…高校に、行くのかと思った。」
「まあそれももちろん私たちの母校だけどね。」
「理世と出会ったのは、大学だもんね。」
「……茅人君ともね。」
何も不自然なく、美都が笑ってそう言ってくれるから
私も眉を下げて笑った。
「懐かしいな。」
県庁所在地がそのまま名称になった国立大学。
私や美都の地元は、ここから少し離れた田舎だけれど
大学周りはそれなりに栄えている。
土日でも学生は沢山いて、特に困ることなく大学内に足を踏み入れた。
「ねえ、千歳ちゃんのバイト先行こうよ!」
「ええ?」
今日の美都は、なんだか元気がある。
母校ハイだろうか。
ぐいぐいと引っ張って楽しそうに進む彼女に、表情も心も柔らかくなった私は従うように足を進めた。
「閉まってる!!」
「あ、そうだ、土日休みだったそういえば。」
「やる気ないねえ。」
「まあ、生協の書籍部だから。」
辿り着いた場所は、数年前、私が働いていた時と何も変わっていない。
今日はシャッターが閉まってるけど、
大学内にある、なんの変哲もない生協はいつもそれなりに賑わいを見せる。
食料などが販売してある購買部の隣に、書籍部が隣接してあって、私はそこで大学2年の頃、アルバイトを始めた。