エセ・ストラテジストは、奔走する

　　

「…っ、ふ、」

涙が増幅して、不恰好な声も漏れ始めた。

美都と理世が、漸く結婚すると知った時。
私は心から嬉しくて。

そして、
未来を“2人で“ちゃんと話して、
時間を重ねてきたことが羨ましかった。



あの時、茅人の言葉を遮って、逃げて、
今までしがみついてきた自分。

彼を縛り付けている私に、そんな未来を
望む資格は無いと思っていたのに。

心のどこかで、私、“茅人のお嫁さん“に、
なれる未来をやっぱり考えてしまう時があった。




＿＿たった1人から、欲しい言葉がある。


理世の計画に頷いたのは、自分が1番望んでいる言葉は、未来を約束できるプロポーズだと、思っていたからだ。


ずっと、私、間違っていた。


どんなに流して、拭って、
それを繰り返しても枯れない涙はもう、
貴方への想いそのものだと。

待ってばかりじゃなくて、私がまずは、伝えなきゃ。