どうしたら人を愛せますか
自己紹介
10.自己紹介

『お前の部屋何もなかったな』

「片付けとかも苦手だからあえて物はかわないの。それに。服を買うときも、着ないものを捨ててからまとめて買う」

女の子部屋には普通、化粧品やら雑貨やら、洋服が沢山あるイメージだが、ここまで必要最低限のものしかない部屋は見たことない。

おれも、あれこれ物が、増えるのは好きじゃない。
こいつが居座って。物が増えると心配してたが、それもなさそうだ。

『ところで、俺はお兄ちゃんと呼ばれるのか?』
「嫌なら名前で呼ぶけど、私は?」

『ゆかりと呼ぶよ。』

「じゃあ、馨」

『呼び捨てか』

「馨さん」

まあ、恋人でもないし、いっか。

馨さんの家につくと、クローゼットにつれていかれた。

『ゆかりの、服はここに、しまうといい』

「ありがとう。馨さん」

なんか、調子が狂う馨だが、笑ってごまかした。

『とりあえず、片付けが終わったら決め事がある』

ゆかりは、不思議に思いながら

「わかった」
ゆかりは片付けを終わらすと、ダイニングにいき、ソファーに座った。


『とりあえず、俺の名前は知ってるよね』

「馨さん」

『一応自己紹介を今さらしてやる。早瀬馨、年は47才、一応バツイチ
そして、今は特に彼女はいない。』

「彼女いないんだ。」

こいつはアホなのか?
馨はため息をついた。

「私も自己紹介、近藤ゆかり30才、昨日彼氏モドキと別れたばかりです。」

『知ってるよ。
簡単には家にいれてしまったが、この家の物は好きに使っていい。その代わり、食事は各自で、洗濯は乾燥機つきのものかあるが、スーツやらクリーニングが必要なものは下の管理人室にこの袋に入れて渡せば、明日までには終えて、帰ってきたときに渡してくれるから、クリーニング代は家賃に含まれてるから好きなだけ出してかまわない。』

「あのーー
馨さんって、お金持ち?」

『俺はあくまでも一般庶民の家で、育って、努力家だから、会社では営業課長をしてる』

「えーーー馨課長?」


『ゆかりさ、なんで、さっき。俺の年にはビックリしないのに、課長にびっくりするわけ?』

「課長って大変そうなイメージだから」

『ゆかりさ、俺はだからバツイチなんだよ。仕事熱心といったら、聞こえはいいが仕事に没頭しすぎて、嫁に逃げられる男』

「かわいそう。」

『おまえなぁ?』
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