冷徹ドクターに捨てられたはずが、赤ちゃんごと溺愛抱擁されています
 でも喜んでいる彼を見て、わたしも自然に笑顔がこぼれた。

 ――カシャ。

 シャッター音が聞こえて、扉の方を振り向く。

「あまりにもいい笑顔だったので。撮っちゃいました」

 女性カメラマンに言われて、わたしたちが顔を見合わせて笑うとまたシャッター音が聞こえた。

「さぁ、行きますよ」

 スタジオに移動しようと先にカメラマンが歩き出した。

 するとぐいっと翔平がわたしの手をひっぱったから、振り向いた。するとふいうちのキス。

「隠れてするキスもいいもんだな」

「もう」

 こぶしでたたこうとした手を取って翔平が歩き出した。

 ゆっくりと体を気遣う足取り。

「なあ、瑠衣。これからもこうやって、歩いていこうな」

 前を見たまま言った翔平の先に、長い長い未来への道が見えた気がした。

「そうだね」

 わたしの言葉に、彼はギュッと手に力を込めてくれた。

 二度とこの手を離さないとでも誓うように……。


END


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