冷徹ドクターに捨てられたはずが、赤ちゃんごと溺愛抱擁されています
だけど結局わたしの運命の相手は翔平だったのだ。気が付けばいつも隣にいた。自分のダメなところもいいところも、彼の前ではいい意味で自然体だった。だからこそ……はじめて勢いで体の関係を持った。鈍いわたしはそうなるまで、彼がどれだけ大切な存在なのかわからなかっただけなのだ。
あれから三年経って、母になっても……やっぱりわたしは翔平じゃないとダメなんだと思う。
静かだからあれこれ考えてしまうんだ。わたしは翔平にからかわれることを承知で、悠翔の話や家族の話をべらべらと話した。そんな最高に緊張したわたしを、翔平は優しい目で見ていた。
到着したマンションを見てわたしは驚いた。その造りがもうすでにわたしの知っているマンションとは違っていた。入口には人工の川が流れ常にせせらぎが感じられる。セキュリティを解除して中に入ればすぐに黒いスーツを着たコンシェルジュが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ、君島様」
頭を下げたコンシェルジュに、翔平が軽く手を挙げてこたえた。エレベーターの前で待っていると、中から人が降りてきた。大柄の外国人の男性はどうやら翔平の知り合いらしく、フレンドリーにわたしに声をかけてきた……が、英語なのでさっぱりなにを言っているかわからない。
「かわいいね、ってさ。サンキューとでも言っとけよ」
「さ、サンキュー」
握手を交わす大柄の相手に、そう伝えると相手はにこにこと笑って出ていった。
「大学で一緒に研究している同僚。俺が帰ってくるのと同時に日本に来て、研究を続けている」
まさかそんな人と会うなんて思っていなくて、仕事帰りの服装のままだ。オフィスワークなのでカジュアルすぎることはないけれど、それでもせめてもっとちゃんとお化粧しているときに会いたかったと思ってしまう。
「ほら、行くぞ」
ひそかに悔しがっているわたしの背中を翔平が押した。十九階建ての最上階。最初の扉が翔平の住む部屋らしい。
「え、待って。広い!」
玄関から先に続く廊下。その先に三十畳近いリビングがあった。あるのは壁掛けのテレビとソファ。それに天井まで届く本がたくさんつまった本棚。
続くキッチンは真っ白でカウンターも広い。けれどほとんど使っていないのか、生活感がまったくない。
あれから三年経って、母になっても……やっぱりわたしは翔平じゃないとダメなんだと思う。
静かだからあれこれ考えてしまうんだ。わたしは翔平にからかわれることを承知で、悠翔の話や家族の話をべらべらと話した。そんな最高に緊張したわたしを、翔平は優しい目で見ていた。
到着したマンションを見てわたしは驚いた。その造りがもうすでにわたしの知っているマンションとは違っていた。入口には人工の川が流れ常にせせらぎが感じられる。セキュリティを解除して中に入ればすぐに黒いスーツを着たコンシェルジュが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ、君島様」
頭を下げたコンシェルジュに、翔平が軽く手を挙げてこたえた。エレベーターの前で待っていると、中から人が降りてきた。大柄の外国人の男性はどうやら翔平の知り合いらしく、フレンドリーにわたしに声をかけてきた……が、英語なのでさっぱりなにを言っているかわからない。
「かわいいね、ってさ。サンキューとでも言っとけよ」
「さ、サンキュー」
握手を交わす大柄の相手に、そう伝えると相手はにこにこと笑って出ていった。
「大学で一緒に研究している同僚。俺が帰ってくるのと同時に日本に来て、研究を続けている」
まさかそんな人と会うなんて思っていなくて、仕事帰りの服装のままだ。オフィスワークなのでカジュアルすぎることはないけれど、それでもせめてもっとちゃんとお化粧しているときに会いたかったと思ってしまう。
「ほら、行くぞ」
ひそかに悔しがっているわたしの背中を翔平が押した。十九階建ての最上階。最初の扉が翔平の住む部屋らしい。
「え、待って。広い!」
玄関から先に続く廊下。その先に三十畳近いリビングがあった。あるのは壁掛けのテレビとソファ。それに天井まで届く本がたくさんつまった本棚。
続くキッチンは真っ白でカウンターも広い。けれどほとんど使っていないのか、生活感がまったくない。