小説「グレイなる一族」
グレイ「おいセバスチャンてば・・」
セバスチャン「何?そんなに甘えて・・」

二度目のトライで、やっと「セバスチャンがパソコンから目を放しこちらの方に目を向けた。続いて私は、ゆっくりはっきり大きな声で彼に問いかけた。

グレイ「い・ち・ば・ん・し・ぼ・り・の・水・を・く・れ」
セバスチャン「あ・な・た・が・す・き・だ・か・ら・抱っ・こ・し・て」

違う!セバスチャンどうやったらそんな風に聞こえるのだ。私は「セバスチャン」に抱っこされ胸でハグされてしまっている。大体会話の文字数も合ってはいないではないか・・しょうがないもう一度今度はもっとゆっくり短く訴えかけてみよう・・

グレイ「み・ず」
セバスチャン「す・き」

だから、違うってば・・どうしたらそんな風に聞こえてしまうのだ。文字数は合っているが・・こら顔押し付けるではない・・止めろ辞めないかこのままではヤバイ・・非情に危険な状態だ。そう彼はキス攻撃を始めようとしているのだ。彼は私の顔との距離を計り、思いっきり口をタコにしているではないか・・

グレイ「フンギャ・・・・」

「セバスチャン」のタコ唇はおもむろに私の右頬をぐいぐい押し付けている。そうして今度は左頬へとそのタコ唇は移動する。私は必死に抵抗を心みてはみるが逃れる事はできない。そうこうしている内にタコ唇は、遂に私の唇目指して加速してくる。

グレイ「フンギャーそれだけはや・め・て・・・・・・・」

抵抗もむなしく私の高貴なる唇は、
今日も「セバスチャン」によって汚染されてしまった。

セバスチャン[お母さん、今日グレイが自分から甘えてきたわ・・いいでしょ。]

グレイ「だから、違うっつうーの!!!(涙)」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

スキンシップによって、唇が汚染されてしまった憐れなか弱き生き物である.
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