小説「グレイなる一族」

エピソード壱拾奈奈 「グレイなる災害」

エピソード壱拾奈奈 「グレイなる災害」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、日々悪のテロリストから「グレイランド」の平和を守る由緒正しき誇り高き血を身体の中に宿す高貴な生き物である。

何だか気分がウキウキしている。今日私が見る限り、比較的「グランマ波形」が高そうなのである。「グランマ波形」とは、一日の「グランマ」の気分によるカツオ節と煮干の配給量を密かにグラフ化したものである。何故?今日は「グランマ波形」が高そうなのか?それは、昨日の夜から、ずっと私は「グランマ」の言う事をこなしているからである。「グランマ」の逞しい轟音のような鼾にも耐え一緒に就寝したし、「グランマ」の求めに応じて熱き抱擁も数度してあげた、昼間は「グランマ」と遊び道具でかまってあげたりもしたんだ。大変な努力と言えよう・・このままの「グランマ波形」だとカツオ節の増量おろか・・まだ食した事がない焼きカツオや焼きササミかつお味まで辿り着けるかもしれない勢いだ。まったく「グランマ波形」が鰻上りだと私の気分まで天駆けて往きそうで小躍りしたくなる・・うひゃひゃ・・本日の夕食が非情に楽しみだわさ・・

そうこうしていると、「グレイランド」に「セバスチャン」が帰国してきた。今の私なら多少「セバスチャン」にヤンチャされても許せるぐらい大らかな心を持っている。私の心はとにかく春だったんだ。

「セバスチャン」が「グランマ」にあの一言を言うまでは・・

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